「写真を撮ろうよ」と急に言い出したのは、暫定所有者の方。
 本人は飛行服を着たままで、そしてキッチンにて機嫌良く鼻歌を歌いながら作業をしていたアンドリューを、無理矢理廊下に引っ張り出して、カメラの準備。「せめて着替えさせろ」と文句を言うアンドリューに「そのままが良いの!」と少しの我が儘。カメラをセットし終え、よし、と小さく呟いたは、何とか少しでも見栄えを良くしようとエプロンのあちこちを小さく引っ張っているアンドリューの横に並び、カメラを挟んで大分離れて対峙しているに向かって、大きく手を振った。
「タイマーセットしてあるから、早く!」
も入るんですか?」
「うん、三人で撮ろう」
 やれやれ、と小さく溜息を吐いてに向かって進み……しかし、途中でふとある事に気付き、カメラを通り過ぎる前に止まった。
「どうしたの?」
「今回は、は外させてもらいます」
「? 何で?」
はこれまで何度も映ってますから。今回は、とアンドリューだけで」
 首を傾げた暫定所有者に向けてそう言うと、はふぅんと頷いただけで、それ以上は何も言わなかった。恐らく、もうすぐシャッターが切れると思ったのだろう。事実、が急いで笑顔をカメラに向けた途端、かしゃり、と音が鳴った。

 

──写真に納まったら、言い訳なんて出来ないでしょうに……アンドリューは、どうするつもりなんでしょう?

 

 こっそり、精一杯の勇気を振り絞って、の肩に尻尾を回そうとしているアンドリューに気付いたは、アンドリューがそのままそれを引っ込める事なく映っているのを見て、小さく首を傾げた。

 

 

 

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